カテゴリー別アーカイブ: ★戸籍について

被相続人の戸籍に記録されない相続人 ~養子縁組について~

こんばんは
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

今日は久しぶりに戸籍の読み方について、お送りします。

金融機関はじめ、様々な相続手続きをすすめる上で、戸籍の収集は必要となるのですが、被相続人の出生から死亡までの戸籍すべてを集めても、被相続人と同じ戸籍上には登場しない相続人がいるケースがあります。

いや、正しく言えば、登場はしているが、被相続人の身分事項欄にさらっと書かれているだけで、『戸籍に記録されている者』としての表記がありません。

それは、被相続人と相続人が、養子縁組(普通養子縁組)をした関係性にある場合です。

通常、養子縁組をした場合、新たな養親となった親と同じ戸籍に、新たな子ども(養子)として名前が記録され、養親と養子が同じ戸籍に入ります。

ところが、養子縁組をしても、養子が養親とは別の家庭(養子がすでに誰かと結婚して別の家庭を築いている)にいるような場合、養親の戸籍には一度も入ることがありません。

なかなか理解しにくいかと思うので、以下例をご参照ください。

(例)
●A(養親)とB(養子)が、養子縁組をした。
●B(養子)には、配偶者(夫)がいる。

このような場合、戸籍上では下記のような処理がされます。

●Aの戸籍の身分事項欄に、Bと養子縁組をしたと記録される。
●Bの戸籍
の身分事項欄に、Aと養子縁組をしたと記録される。
●Bの
続柄欄に、Aが養親(養父または養母)と記録される。

戸籍上の記録は上記だけのため、A(養親)の戸籍上では、A(養親)の身分事項の欄をよく見ない限り、Bの名前を見つけることができません。

つまり、実際には、被相続人の摘要欄(= 身分事項欄。旧戸籍では、名前の上の欄。現在の戸籍表記では、名前の下の欄。)をよく見れば、「養子縁組をした」旨の記載が載っているのですが、この事実を知らない方が戸籍を見ても、「戸籍に記録されている者」としての名前表記はされていないので、気付かないケースが多いです

★注意:養親と養子が同じ戸籍に記録されるとは限らない★


そして気付かないまま相続手続きをしようとして、金融機関や法務局等に提出してから指摘され・・・

そうなると、その養子縁組された相続人も相続手続きに関わってもらう必要があるので、相続手続きは一旦ストップ手
先に進めたくても、その相続人なしには進められなくなります

戸籍がコンピュータで管理されるようになってから、戸籍はだいぶ読みやすくはなりましたが、戸籍の読み方を熟知していないと、こうした細かい点を見逃してしまう事もあるかと思います。

昔の古い戸籍であれば、現在の戸籍よりも煩雑な記入をしてあるので、尚更です


相続手続きで戸籍を収集される場合は、『戸籍に記録されている者』の名前を確認するだけではなく、かならず『身分事項』の欄も確認するようにしてください

なお、確実に、早期に手続きをすすめたいというご希望がある方は、やはり相続の専門家にご相談いただくことをオススメいたします。

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戸籍は住所のある役所でとれますか?

こんばんは。
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です

先日、こんな質問をいただきました。

Q戸籍って、住民票がある役所に行けばとれますか

Aとれません。
戸籍は、本籍地として登録されている場所を管轄する役所でしか発行できないから
です。

そもそも戸籍は、本籍地として登録した場所を管轄する役所で保管されています。
一方、住民票は、現住所を管轄する役所で保管されています。

どちらの場所も同じ市区町村内にあれば、同じ役所で取得することができますが、別々の市区町村で登録していれば、同じ役所で両方を取得することはできないのです

とはいえ、戸籍も住民票も、いずれも郵送での申請・受領が可能です〒
 → 戸籍の発行手数料は?マウス

また、現在では住民票だけではなく戸籍についても全国各地のコンビニエンスストアで発行できる地域があるようですので、一度ご確認してみてはいかがでしょうか?
以下、対応している地域が掲載されているHPとなりますので、どうぞご参照ください

 → 行政サービスをコンビニで!マウス

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相続人の現住所がわからない場合の現住所の調べ方

 こんばんは。
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です

被相続人が亡くなって相続が発生、相続手続きで必要な戸籍を収集していたら、見ず知らずの相続人がいることが判明した


なんてことは、意外とよくあるケースです。
そのような場合、相続人にはだれしも「被相続人がのこした財産(相続財産)を相続する」権利がありますので、いくら見ず知らずの人とはいえ、その相続人を無視して手続きを進めることはできません
なぜなら、銀行で相続財産を払いだしてもらう際や、不動産登記の名義変更(相続登記)を行なう場合、かならず相続人全員の意思確認が必要となるからです履歴書印鑑
とは言え、戸籍収集をしていて突如判明した相続人ですから、今どこで何をしている人なのかもわかりません。

確かに、戸籍をたどっていけば、現在どこに本籍地を置いているかはわかりますが、戸籍には現住所の記載はなく、連絡をとる術がありません(本籍地と現住所が同一の方もいますが、常に同一とは限りません)。

では、そのような場合どうしたらよいでしょう

そのような場合、「戸籍の附票」を利用します。

●戸籍の附票とは

戸籍と一緒に本籍地の役所で保管されている書類。
その戸籍が作られてから、対象者の住所の移り変わりが記録されているもの。

附票は、対象者の住民票が移動するたびに、転入先の役所から本籍地の役所に住所が変更された旨の通知がなされ、その都度追記されていきます


※ただし、戸籍の附票に常に現住所が記載されているとは限りません。あくまで「住民票が移動した」際に記録されていくものなので、引越をしても住民票を移動していなければ、戸籍の附票には記録されず、現住所を特定できませんWARNING

なお、この「戸籍の附票」は、相続人の現住所を調べたり、相続登記をする際に住所を確認できる書類の一種として利用されたりします。

戸籍の附票は、その方の本籍地の役所で戸籍謄本や住民票と同様に取得することができます。

詳しくは、該当の市区町村役場ホームページまたは、お電話にてお問合せください
※「○○(←市区町村名をいれる)役所 附票」とパソコンで検索すると、該当ページが出てきますよパソコン

必要な戸籍の収集にお困りの場合、ぜひ東京国際司法書士事務所の


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