財産を処分しても相続放棄できる場合があります。

こんばんは
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

本日はまた、Q&A方式にて、お客さまからのご質問にお答えさせていただきます。

Q 私の妹が亡くなりました。妹は独り身で子どももいなかった(両親祖父母はすでに他界) ので、私が唯一の相続人です。
最近、妹には借金があることを知り、相続放棄をしなければと思ったのですが、死亡当時は私が相続人となるとは知らず、親族だからという理由から、妹の賃貸マンションの解約手続きや車の処分を業者に言われるがまま行なってしまいました。
 こうした場合、やはり相続放棄は難しいのでしょうか? 

A 相続放棄が認められる可能性は高くはありませんが、決して0%ではありません。


基本的に、相続放棄をする人は、相続放棄をする前、した後ともに、被相続人(亡くなった方)の財産を処分することはできません。
自分が相続人であると認識しながら行なった財産の処分行為は、『自らが相続人として、相続をすることを認めた』ためにした行動としてとられます。

そのため、上記のようなケースでは、相続放棄が認められる可能性は、決して高くはありません。

ただし(ここからが重要です)

「自らが相続人であることを認識しながら財産を処分した場合」
については、相続放棄が認められる可能性は極めて低いのですが、

「自らが相続人であることを知らず、財産を処分してしまった場合」

については、相続放棄が認められる可能性があります。

たとえば、賃貸マンション等においては、オーナー(大家)さんや不動産管理会社等から、再三にわたって解約手続きをするよう促されたり、駐車場を使用していれば、早く出て行ってくれと強く主張されることもあります。

そうした場合、やむを得ず、言われるがままに対応してしまう事もあると思います。

その時に、相続人という立場を認識して対応するのか、ただの親族だと思って対応したのか、この違いが大きな判断の分かれ目になります。

“自分が相続人とは知らず” 財産の処分を行なった場合は、相続放棄が認められる可能性があります。

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