認知症でも遺言書は作成できるのか?

こんばんは
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

Q 母が認知症になってしまいました。母はもう遺言書は作れないのでしょうか?

A 医療機関において、「認知症であり、判断能力に欠ける」と診断された場合、遺言書を作っても法的に無効な遺言書と判断されてしまいます。

この場合まず確認しなければならないのは、


「 どの程度の症状なのか? 」

という点です。
後々に相続人間でもめてしまうことも考慮し、
もし「認知症」とはっきり断言できないような症状の場合は、
遺言書作成の前にまず、医療機関で診断をしてもらうのが一番です

医療機関で、「認知症である」「判断能力に障がいがある」と判断された場合、それ以降に作成した遺言書は法的には無効な遺言書です。

作成しても、その他の相続人から「あの時すでに呆けていたのでその遺言は無効だ!」と主張されてしまうことを考えると、まずは医療機関に判断能力について診断してもらい、判断能力に問題がなければその旨の証明書(診断書)を発行してもらうことです。書類

そうすることで、万が一、後々に相続人間でもめてしまうことがあっても、その診断書がとても有効な証拠書類となります。

また、公正証書遺言の場合、遺言者が公証役場に出向く必要がありますが、ご入院やご体調などの理由によって出向くことが難しい場合は、公証役場の公証人がご指定の場所に出張することもできます。
※ただしその場合は、公証人の出張費用や日当がかかります。


自分がいつどうなるか、将来的なことは誰にもわかりません。
いつでも、その時が来たら遺言書が書けるとは限りません。