同じ母親から生まれても相続割合が違う?

こんばんは。

相続対策コンサルタントの司法書士 鈴木敏弘です

今日も嫡出子・非嫡出子についてです。
(昨日までの関連記事はこちらから↓どうぞ)
 →嫡出子・非嫡出子とは? 
 →嫡出子と非嫡出子の相続分の違い

昨日の記事では、嫡出子と非嫡出子の権利分の差について書いてみました。
昨日の記事内に出した例えは、まだ一般的に理解しやすいような気がしますが、いかがでしたでしょうか?

今日はもう少し複雑となる、嫡出子と非嫡出子の間にある相続権利の差について、例えを用いてお話します。

花子さんという女性がいます。
彼女は20歳の時に、未婚のまま息子を出産しました。
その後、25歳で息子の父親ではない男性と結婚。その男性との間に、可愛い女の子が生まれました。
しかしその後に離婚してしまいました。
離婚後は、花子さんが必死に稼いで、親子3人で仲良く暮らしてきました。
花子さんにとっては、2人の子どもが何より大切で、どちらにも同じように愛情を注いできました。
その後花子さんが死亡し、相続手続きが開始されました。
その時、2人の子どもは(きっと天国では花子さんも)驚く事実を知ってしまいました。
なんと、2人とも同じ母親から生まれたのにもかかわらず、法律上で決められた法定相続分に違いが出たのです。


この場合、息子は未婚時に生まれたため「非嫡出子」となります。
逆に、娘は父親がいた時に生まれた子どものため「嫡出子」となります。
よって、花子さんの遺産を相続する場合、

●嫡出子:非嫡出子=2:1の割合

となることから、息子の相続分→3分の1、娘の相続分→3分の2、となるのです。

昨日の記事のような愛人関係のもとに生まれた子どもではなく、ただ生まれたタイミングの違いによって、同じ母親から生まれた場合でも法定相続分には違いが出てしまうのが、この嫡出子・非嫡出子の注意すべき点です。
(ちなみに、非嫡出子の相続分については、差別である、違憲であるとの考えが多くありますが、最高裁では合憲と判断しており、いまだに法律の改正には至っていないのが現状です。)

現行の法律上では、子どもを出産する時期についても注意しないといけない・・・
といってもなかなか注意して変わるものでもないかと思いますが

明日は、しつこいですが、また今日の話のつづきです。
今日のように、「同じ母親から生まれても相続割合が違う」場合でも、非嫡出子の相続分を嫡出子と同じ割合にできる方法があります。
 
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