被相続人が健康保険に加入していた場合 ~ 埋葬料の請求 ~

こんばんは。
相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です

先日のブログでもお伝えしましたが、健康保険に加入している方が亡くなったら、相続人は「埋葬料(埋葬費)」を受け取る権利があります。

<関連記事>
→ 「もらわないと損!なお金 ~ 葬祭費・葬祭料について ~」マウス
→「被相続人が国民健康保険加入者だったら ~葬祭費の申請~」マウス


では、この「埋葬料(埋葬費)」とはどのようなもので、どういった手続きが必要なのでしょうか。

●埋葬料(埋葬費)とは

被相続人(亡くなった方)が健康保険(国民健康保険以外。主に会社勤めの方が入っている健康保険)に加入していたら、相続人(遺族)が、被相続人が加入していた保険組合に請求をすることで得られるお金のことです

これは、相続人(実際に葬儀を行なった喪主)に対して、保険組合から支払われる“弔慰金”のような意味が込められています。

よって、この「埋葬料(埋葬費)」は、相続人(実際に葬儀を行なった喪主)固有の権利であり、被相続人の相続財産ではないため、相続税の課税対象とはなりません

●誰が手続きすればよい?

埋葬料を請求できるのは、実際に葬儀を取り仕切った喪主の方が申請することができます。
相続人だからといって、誰でも請求できるわけではありません。

●どこに請求すればよい?

埋葬料の請求は、被相続人(亡くなった方)が加入していた健康保険組合に対して行なってください。
※組合名は、被相続人が所有している保険証に書かれています。

●支給金額はいくら?

一律5万円です。
ただし、被相続人が加入している組合によっては、「埋葬附加金」として別途数万円支給されることもあります。

●手続きに必要なものは?

一般的には以下のものが手続き上必要とされます。

 ・ 健康保険埋葬料請求書
 ・ 被相続人所有の健康保険証
 ・ 被相続人の死亡診断書
 ・ 葬儀費用の領収書または会葬御礼ハガキ等(喪主を確認できるもの)
 ・ 支給を受ける方(申請人)の印鑑

「健康保険埋葬料請求書」は組合所定の用紙ですので、組合に直接連絡をして、用紙をもらってください

また、組合によっては必要とされる書類が異なりますので、申請前に一度確認してみてください

●手続きに期限はある?

埋葬料を請求できるのは、

「被相続人が死亡した日から2年」

と決められています。
被相続人の保険証が出てきたら、忘れないうちに速やかに手続きを済ませるようにしましょう