カテゴリー別アーカイブ: ★相続放棄について

相続放棄は曾祖父母も関係ありますか?

こんばんは
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

本日は相続放棄についてお伝えします。

Q 私の父が亡くなり、母と私(父の子は私1人)は相続放棄をしました。その後、祖父母(父の両親)も相続放棄をしたのですが、曾祖父母(父の祖父母)も相続放棄しなければならないのですか?
 それとも、祖父母が放棄をしていれば、曾祖父母は相続人にはならないのでしょうか?

A ご健在であれば、曾祖父母様についても、相続放棄をする必要があります。



相続放棄は、直系尊属である限り、どんどん上に相続権が移っていきます。

そのため、親族全員が相続する意思がない場合、

① 被相続人の配偶者と子ども(すでに他界している場合その子ども(孫やひ孫等))が相続放棄をする

② 被相続人の直系尊属(父母、祖父母、曾祖父母等(養親含む))全員が相続放棄をする

③ 被相続人の兄弟姉妹(すでに他界している場合その子ども(甥姪))全員が相続放棄をする

と、順々に手続きをするのですが、直系尊属の場合、

「被相続人の父母が放棄したから」

「被相続人の祖父母が放棄したから」

と言って、どんどん上に相続権が移ってくることを妨げることができません。

逆に、直系卑属(子どもや孫、ひ孫等)や兄弟姉妹であれば、相続放棄をしたら、
自分より下の代に相続権が移ることはありません。

『相続放棄をしたら、相続権は上の代にはいくが、下の代には続かない』

ということです。

もし親族一同で相続放棄をお考えの場合は、手続き上、必要となる書類も複雑化しますので、ぜひ一度専門家にご相談ください。

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相続放棄をするなら何も処分できないのか?

こんばんは
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

本日は相続放棄について、お伝えします。

相続放棄のご相談をいただく際、相続人様が気にされることの多くが、


「何をしたら相続放棄できなくなるのか?」


といった点です。

相続放棄をする場合、相続放棄をする前も、した後も、相続財産を処分することができません。

この「処分」という行為が実はとても曖昧なので、余計に相続人様としては迷うのだと思います。

「処分」に該当する行為としては主に、

 ・相続人同士で遺産分割協議をした
 ・被相続人がのこした借金の返済をした
 ・被相続人がのこしたお金を使った
 ・被相続人の不動産や車等の名義変更をした
 ・被相続人の不動産や車等を売却した

等が挙げられますが、「処分」という行為自体が一切ダメ、禁止されているということではありません。

たとえば、

 ・被相続人の衣服を処分した
 ・自分が相続人だと知らないまま処分してしまった
 
等といった行為は、裁判所の判例により「処分」に該当しないと判断された判例もあります。

とはいえ、相続人様自身で「これは大丈夫だろう」と勝手に自己判断をしてしまったことで、思わぬ落とし穴があることも事実です

相続放棄を検討されている場合は、原則として、被相続人の財産や遺品等には手を付けずにそのままにしておき、相続放棄の専門家にご相談されることをオススメいたします

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離婚した親にも相続は関係する? ~ 相続放棄の場合 ~

こんばんは
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

本日は、実際にご相談いただいたご質問を紹介させていただきます。

Q 私の弟が亡くなりました。弟は結婚しておらず子どももいません。
また、私たちの両親は小さいころに離婚し、疎遠になった母がいます(父はすでに他界)。
弟には多額の借金があったので、私は相続放棄を考えていますが、母親にも何か関係しますか?

A 関係あります。弟様の現相続人はお母様です。


結婚して戸籍を出たり、離婚して別の姓を名乗っていたとしても、親子の関係は変わりません。

※特別養子縁組をした場合、実親との関係は終了します。

もし幼少のころに親が離婚していて疎遠になっていても、親は親で、その関係性は変わることがないのです。

上記のような状況の場合、弟様の現相続人はお母様ですので、今後債権者は相続人であるお母様に何らかの連絡をすることが考えられます。

お母様が何もしなければ、借金はお母様が相続したこととなり、負債を負うことになります。

もしお母様が相続放棄手続きをした場合、次に相続人となるのは上記でいう「私」になりますので、お母様が相続放棄をしたと知った日から3ヶ月以内に、家庭裁判所で相続放棄手続きを行なえば、「私」は弟様の負債を背負う必要はなくなります(相続する必要がなくなります)。

相続放棄は、被相続人の配偶者や子ども、両親だけではなく、兄弟姉妹、半血兄弟姉妹、甥姪にまで発展するお手続きとなります

相続放棄をご検討されている方で、被相続人様の兄弟姉妹や甥姪の方がご健在の場合は、相続放棄の専門家に一度、ご相談いただくことをおすすめいたします。

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