カテゴリー別アーカイブ: ★相続手続きについて

相続登記にまつわるトラブル ~共有名義での相続登記(後編)~

こんばんは。

相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です

今日は昨日の記事のつづきです。


 
→ 昨日の記事「相続登記にまつわるトラブル(前編)」マウス

姉妹で共有名義で登記している土地、建物について、姉が換金したいと申し出た際に検討できる選択肢は以下2点です。

 1.姉の持ち分を、妹が買いとる

 2.姉妹で一緒に売却する


もし1.を選択される場合、妹様は、土地・建物の評価額の2分の1に相当する金額を用意しなければなりません
出費

たとえば、土地と建物あわせて評価額が5000万円だとすると、2500万円もの大金を用意しなければならず、ちょっと非現実的かもしれません。

ちなみに、昨日事例としてあげた、ご相談をいただいた姉妹については、結局姉妹の話し合いにより、妹様がお姉様に相当額を少しずつお支払していくということで決着しました。

が、実際そう簡単に話し合いが収まるかというと・・・なかなか難しいかと思います

一般的に、土地や建物などの不動産を
相続で分配する場合、主に4つの方法が考えられます。 

 あ:相続人代表者が相続する、
   または、それぞれの不動産を相続する人を決める

 い:相続人全員の共有名義にする

 う:いずれかの相続人が相続し、そのかわりに
   その相続人が他の相続人にお金を渡す

 え:不動産を売却して、売却代金を相続人間で分配する

故人が生前に、不動産の明確な分け方について遺言をのこしていれば、相続人間でモメる可能性は低くなります。

しかし、そういったこともなく、相続人間での話し合いによって遺産分割をすることとなれば、上記「い」の方法がとられることも多いようです。

しかし、これまで事例でお伝えしたとおり、相続人全員の共有名義にしていると、将来的に問題が発生することが多くあります


ですので、いずれの方法ととるか、よく検討された上で、相続手続きを進めることを、強くオススメします

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相続登記にまつわるトラブル ~共有名義での相続登記(前編)~

こんばんは。

相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です

今日は、不動産の相続登記後によくあるトラブルのお話しです。
 
→ 「不動産の相続登記とは?」マウス


『 母が亡くなった時(相続発生時)、土地と建物しか遺産がなく、
私と姉(相続人2人)で、土地と建物それぞれを共有名義で登記しました。

ところが最近 姉が、「自分の分だけを売却したい」
と言い出しました。

共有名義の半分だけを売却し、
換金することなんてできるのでしょうか?』

ある姉妹の妹様からご相談を受けた事例ですメモ

お母様が亡くなり(お父様はすでに他界)、
相続人の姉妹にのこされた財産は土地と建物、そしてわずかな預貯金だけだったそうです。

お母様には
遺言もなく、とりあえず・・・と、姉妹で法定相続どおりの2分の1ずつ、遺産を配分されていました(土地、建物については2分の1ずつの共有名義)。

それからしばらくは 特に何も問題がなかったのですが、最近になって、お姉様が自宅のリフォームをすることになり、まとまった資金が必要となったとのこと。
自分の持ち分だけでもお金にしたい、お金が必要なんだと言い出したのです。

では、実際にそのようなことができるのでしょうか


結論から申し上げますと、できません

「共有名義」というのは、共有者各自が、持ち分割合の範囲で所有権を持つことを言います。
よって、一つの不動産に対して、「どの部分を●●が所有する」と指定しているものではないのです。

では、
どうしたらよいでしょうか?

長くなりましたので、つづきはまた明日にします

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子連れで再婚した場合の相続

こんばんは。

相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です

昔と比べ、今は離婚する人も多くなってきています。
そして、その後、再婚する人も多くなっているようです。

もし、再婚して 夫と妻いずれも子連れだったら・・・

相続手続き上はどのようになるのでしょうか?
以下のようなケースを想定してみましょう。

<夫、妻、それぞれの連れ子計2人、実子1人>

このような場合、以下どのようになるのかご説明します。

◆ 夫が亡くなった場合 ◆

法定相続人となるのは
 → 妻、夫の連れ子、実子1人 の計3人

つまり、この場合 妻の連れ子は相続人にはなれません。

◆ 夫が亡くなった後、妻も亡くなった場合 ◆

法定相続人となるのは
 → 妻の連れ子、実子1人 の計2人

この場合は、夫の連れ子が相続人にはなれません。

夫が亡くなってすぐに妻も亡くなってしまった場合、
夫の遺産が1億円、妻の遺産が2千万だとして、
相続割合を考えると、以下のような差が出てしまいます。

・ まず夫の分の遺産を、法定相続分どおり配分
 → 妻2分の1、夫の連れ子4分の1、実子4分の1
→ 妻5000万円、夫の連れ子・実子ともに2500万円ずつ

・ 次に妻の分の遺産を、法定相続分どおり配分
→ 妻の連れ子2分の1、実子2分の1
→ 妻の連れ子・実子ともに3500万円ずつ
※妻の遺産は、夫の遺産相続分5000万円と、妻自身の遺産2000万円です。

つまり、最終的に受け取った遺産の額をみてみると、

 ・夫の連れ子 → 2500万円
 ・妻の連れ子 → 3500万円
 ・実 子    → 6000万円

こんなにも額に差が出てくるのです

上記は、夫が妻よりも先に亡くなった場合ですが、逆に妻が夫よりも先に亡くなった場合、夫の連れ子が妻の連れ子よりも多額になります。

もし、「みんな可愛いわが子」として育てていらっしゃるのであれば、このような差が出てしまう前に一度、養子縁組をご検討された方がよいかもしれません


詳しくは、以前の記事をご参照ください。