カテゴリー別アーカイブ: ★相続手続きについて

相続財産の把握・調査の方法 ~ 前編 ~

こんばんは。
相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です


今日は、被相続人がのこした、相続財産の調査方法についてお伝えしたいと思います(とても1日では伝えきれませんので、 今日と明日の2日間にわたってお送りします)。

被相続人(故人)が亡くなり相続が開始されると同時に、のこされた相続人は様々な諸手続きを行なっていく必要があります

やることは山ほどあるのですが、その中でもできるだけ早くやるべきこととして、「相続財産(遺産)を把握する」ことが挙げられます

なぜ早くやるべきかと言うと・・・
万が一、被相続人の遺産に多額の借金があったとしたら相続放棄等手続きを(被相続人が亡くなってから)3か月以内に行なわなければならないからです。

もし、
●被相続人が遺言書をのこしている
 → 通常、遺言内容にある程度の相続財産が書かれているはずなので、相続財産を把握することは難しくないかと思います。

●被相続人が遺言書をのこしていない
 → さらに言えば、資産管理を被相続人がひとりで行なっていた場合、すべての相続財産を早期に把握することは正直難しいです。

なぜならば、

 ・ 近年、ネットバンクやネット証券など、インターネット上の資産運用が多用されている

 → 口座情報がわかる通帳などが発行されない場合も多く、相続財産を確認する手がかりや情報がなかなか見つからないことも多いのです

また、借金などマイナスの財産については、プラスの財産よりも把握するのが難しいかもしれません××

被相続人本人名義の借金ならまだしも、被相続人が連帯保証人になっているマイナス財産は、把握するのはかなり難しいものです。

では、相続財産の調査はどのように進めていけばよいのでしょうか

●現金、株など有価証券、宝石、貴金属など

これらの相続財産はたいてい、被相続人が所有する机や書棚、金庫などに保管していることが多いです。もしくは、銀行の貸金庫に保管されていることもあります金庫

また、預貯金の通帳記録に、株式の利息や配当金記録が書いてあれば、株式や国債などを保有しています。

上記以外にも、預貯金の通帳があれば、入出金明細から多くの情報を得ることができます。三菱UFJ銀行の通帳

たとえば、貸金庫を利用していれば、
 → 貸金庫費用の引落し情報があります。

貸金庫には重要書類等も保管されていることがありますので、それを確認すると良いでしょう。

生命保険の料金支払い情報が明記してある
 → その生命保険に加入していたのだとわかります。

また、定期的に同じところから入金や出金がされていれば、それもプラスもしくはマイナス財産に関する貴重な情報源です。 


そろそろ長くなりましたので、つづきは明日にします。
明日は「土地・建物等の不動産」、「連帯保証人になっていたか」等の調査について、お送りする予定です
 

 
→ つづきを更新しました
 「相続財産の把握・調査の方法 ~ 後編 ~」はこちらマウス

 本日のポイント 

・ 被相続人が遺言書をのこしていない場合、相続財産を把握するだけで大変。
・ 預貯金がある通帳をみつければ、取引明細から沢山の情報が得られる可能性が高い。

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相続人の中に未成年者がいる場合 ~ 特別代理人選任手続きの詳細 ~

こんばんは。
なでしこJAPAN 
サッカーボール の素晴らしい勝利を見届けて、
若干寝不足の相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です


本日は昨日のつづき、「相続人の中に未成年者がいる場合」についてです。

 → 昨日の記事「相続人の中に未成年者がいる場合」マウス

昨日の記事で何度も出てきましたが、
家庭裁判所で選任される、「特別代理人」とはどのような人がなるのでしょう?

●特別代理人になる人って?

特別代理人は、未成年である相続人の、叔父や叔母など、相続人とはならない親族や、司法書士等 相続の専門家が、通常では選任されています。

●もし特別代理人をたてずに遺産分割協議をしたら?

もし未成年の相続人がいるのに、
特別代理人を選任せず遺産分割協議を行なったら・・・

その場合、遺産分割協議は「無権代理行為」(権利がないものが代理で行為を行なうこと)となり、
未成年の相続人が20歳になった後に、遺産分割協議が有効である、と認めない限り、法的には無効となります。

つまり、未成年の相続人が成人(20歳になった)後に、

「私が未成年だった時の遺産分割協議は無効だ!」

と主張すると、そのとおり法的には無効となり、遺産分割協議ははじめからやり直しとなります。

●特別代理人選任はどこでする?

特別代理人を選任してもらうためには、
その未成年の相続人の住所地を管轄する、家庭裁判所に必要書類を提出します。

●特別代理人選任手続きを行なう人(申立人)は?

特別代理人選任手続きは、未成年の相続人の親権を持っている者(通常は両親)、利害関係人(通常は他の相続人)が行ないます。

●特別代理人選任手続きにかかる費用は?

家庭裁判所へ申立てを行なう際にかかる費用は下記のとおりです。

 ・子ども1人につき、収入印紙800円分
 ・裁判所とのやりとり(連絡)にかかる郵便切手
  ↑こちらは裁判所によって金額が異なりますので、管轄裁判所へ直接ご確認ください。

●特別代理人選任手続きに必要な書類

手続き上、一般的に必要となる書類は下記のとおりです。

 ・特別代理人選任申立書
 ・未成年の相続人が載っている戸籍謄本
 ・未成年の相続人の親権者、または後見人の戸籍謄本
 ・特別代理人候補の方の住民票または戸籍の附票
 ・利害関係を証明する資料
 ・遺産分割協議書(文案)、登記簿謄本等

上記以外にも必要とされる書類がある場合がありますので、事前に所轄裁判所にてご確認ください。

●特別代理人選任手続きにかかる時間

「未成年者特別代理人選任」の申立てを所轄家庭裁判所へ行なって、実際に審判が下りる(特別代理人が選任される)まで、約1~2か月ぐらいはかかります

●特別代理人が選任された後

特別代理人が選任された後は、未成年の相続人に代わり、
選任された特別代理人が遺産分

相続人の中に未成年者がいる場合 ~ 特別代理人の選任 ~

こんばんは。

相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です

今日は、昨日の記事でもお伝えした、
「相続人の中に未成年者がいる場合」の
相続手続き について、ご説明いたします

相続人の中にもし、未成年者がいる場合、
通常の相続手続きとは別に、

「特別代理人」

という立場の人を用意する必要があります。

用意と言っても、ただ「この人を特別代理人にします」
と言うだけでは、代理権限を与えられません。

かならず、家庭裁判所で

「この人を特別代理人にしていいですよ」

という、お墨付きをもらう必要があります筆

●なぜ家庭裁判所での手続きが必要なのか?

例をあげて説明しますと、

・父Aが亡くなり、のこされた相続人は
母B(父Aの配偶者)と未成年の子どもCが一人

  ↓ 

法定相続人は、母B(父Aの配偶者)と子どもC

この場合(遺産分割をする際)法律上では、
未成年の子どもは自分で判断できない
→代理人が必要、とされています。

じゃあ、母親が代理人になればいいのでは?
とお思いの方も多いかと思いますが、
この場合、母親は子どもの代理人にはなれないのです

もし、母Bが代理人となってしまうと、
母親がすべての遺産を自分が相続できるように
手続きしてしまうことが考えられます。

そうなると、本来の法定相続分どおりで考えた場合、

母B=遺産の2分の1
子どもC=遺産の2分の1

で分けるとされているため、子どもCは本来もらえるはずの遺産2分の1についての利益を侵害されていることになります(利益の対立)

(実際、未成年の子どもは母親に育てられているので、そんなことは考えませんが・・・

そのため、遺産を分割するときに母親は、
未成年の子どもの代理人として遺産分割協議に参加することはできません。

よって、未成年(20歳未満) の子どもについては、家庭裁判所から特別代理人が選任され、特別代理人と母親で遺産分割協議をすることになります。

ちなみに、未成年の子どもが2人以上いる場合、それぞれ別々の特別代理人を1人ずつ、家庭裁判所から選任してもらう必要があります。

そろそろ長くなってきましたので・・・家庭裁判所手続きのやり方等は明日お送りすることにします

 本日のポイント 

・ 未成年の相続人がいる場合は、家庭裁判所で「特別代理人」を選任してもらう手続きが必要。

※↑いつも拝見しているブログの先生、松田先生のブログを参考にさせていただき、「本日の記事のポイント」を囲み記事にしていくことにしました。松田先生、いつもありがとうございます!
→ 松田先生の 「やさしいブログの作り方」はこちら
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