電車にはねられた認知症の遺族に720万円賠償命令

こんばんは
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

先日、決して他人事ではない裁判の判決がでました。

電車にはねられた認知症の遺族に720万円賠償命令


認知症の男性が電車にはねられ、JR東海がその親族に対する損害賠償請求をしていたのですが、先日その判決が出て、


「親族が見守りを怠ったから事故が起こった」

として、遺族に賠償金の支払いを命じる判決がでました。

詳しい家庭事情はわかりませんが、当時91歳だった認知症の男性は、2007年12月にJR東海管轄の線路内に立ち入り、快速電車にはねられ死亡しました。

この男性は、認知症の上、日頃から徘徊することも多く、常に介護が必要とされる認知症高齢者自立度4と認定されていたとのこと。

事件当日、同居していた妻が目を離した隙に、認知症男性が外に出てしまったそうです。

今回担当された裁判長によれば、

・介護ヘルパーを依頼していなかったこと
・成年後見制度を利用していなかったこと
(事実上の成年後見人として長男をあげています)
・徘徊防止の適切な措置をとらなかったこと
・24時間体制で常に監視体制を整えるべきであったこと

以上の過失責任が遺族側にあるとし、原告(JR東海)の訴えを認める形で判決が出されました。

近年、こうした在宅介護をされていらっしゃる方が多くなっていますので、
この判決はそうした多くの方々に衝撃を与える判決だったのではないでしょうか。

在宅介護は、介護している家族にしかわからないことが沢山あります。

どこまですれば良かったのか、
どこまでしなければ社会的責任が問われてしまうのか、
様々な意見、見解があるかと思います。

今後こうした裁判が増えていくことが考えられますので、
法的にはどのように判断されるのか、社会的状況も含めて注目していこうと思います。

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