お墓の墓場とは?~無縁仏でさまよう墓石~

こんばんは、相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

本日も気になるニュースがありましたので、ご紹介させていただきます。

『継がれず無縁、さまよう墓石 不法投棄続々、墓の墓場も』 (朝日新聞デジタル2014年7月30日配信)

これまで先祖代々受け継がれてきたお墓ですが、昨今の少子化や地方の過疎化等に伴い、お墓を守る祭祀承継者が不在となるケースが増加し、無縁墓として撤去されるお墓が増えています。

祭祀承継者が不在、絶えてしまった場合、お墓の管理料を納める人がいなくなってしまうため、自治体が親類縁故者等に管理を打診し、それでも承継してくれる人が現れない場合は、官報と墓前に「無縁墳墓等改葬公告」を出し、1年間待った上で、その墓石の撤去手続きへと入るそうです。

大阪市では、こうした管理料の滞納が膨らんで、13年度の滞納額総額は約900万円ほどにも及び、5年前と比較すると4割程度も増したそうです。

東京都も14年前から、都立霊園の調査や整理を進めているそうですが、この5年で約1000ものお墓を整理したとのこと。

これまでは当然のように、親から子へ、子から孫へと代々受け継がれてきたお墓の存在自体が、今の時代とは合わなくなってきているのかもしれません。

今では、「子どもに負担をかけたくないから」などと言った理由から、不特定多数の人が埋葬されている“合葬墓”に埋葬してほしいと希望する人も増えてきています。

私自身、実際に、遺言書の作成依頼をしてくださったお客様のうち、何名様かは、「散骨してほしい」、「●●の合葬墓に埋葬してほしい」、などといった遺言をのこされる方もいらっしゃいました。

お墓の問題については、管理料の滞納等といった問題ばかりではなく、お墓の撤去後の問題も多くなってきています。

墓石を撤去した一部の業者による不法投棄なども横行していて、各県でそうした業者が逮捕されていますが、地方の山中に“墓の墓”となってしまった場所もあるそうです。

なお、通常不要となってしまった墓石は、お寺や石材業者が預かる、もしくは処理業者が破砕処分するとのことです。

ただ、破砕するにも人件費等がかかりますので、そうした点で不法投棄する業者が出てきてしまうのでしょうね。

今後も増加していくであろうこうした問題に、自治体としてどう対応していくのか、また自分たちもいつかは直面するかもしれないこうした問題にどう対応していけばよいのか、きちんと考えなければいけないのかもしれません。

blog-toiawase
相続対策コンサルタント 鈴木としひろ 公式サイト はこちらから

生命保険金の未払い|請求忘れで放置多数

こんばんは相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

宙に浮く生命保険金 死後請求なく未払い』 (朝日新聞デジタル 2014年8月4日配信)

生命保険に加入していた方が、亡くなったことを保険会社が把握できず、また遺族らも知らないまま請求されず、宙に浮いた状態になっていた保険金が多いことがわかりました。

その理由としては、保険金の受取人がすでに死亡していたり、認知症を患っていたり、そもそも相続人がその保険加入自体を知らないケースが増えているためだそうです。

確かに、私のところにご相談いただくお客様の中にも「被相続人様(亡くなった方)がどんな保険に入っていたのかわからない」という方もいらっしゃいます。

まだ保険料をおさめていたのであれば、そのうちに未払いになっているとして保険会社から連絡が入るかと思いますが、もしすでに支払いが終了している方の場合、何もしなければ、相続人の方はずっと知らずに請求できないまま、放置してしまう形となります。

なお、今回報道されたのは「明治安田生命保険」が昨年以降に調査した事例です。

90歳以上の契約者ほぼ全員を調査したところ、2割弱にあたる契約者がすでに亡くなっていたが、保険金を支払っていませんでした。

その未払いとなっている保険金総額は、実際総額はわかっていないものの、専門家らによれば、計約60億円にものぼるのではないのか、とのこと。

上記明治安田生命以外では、第一生命についても91歳以上をすでに電話調査済みとのことですが、今後は、他の大手保険会社6社(日本生命、住友生命など)についても、実態調査へ動いていくそうです。

こうした請求漏れを防ぐためにも、保険料の支払いがすでに完了している契約者へも一定期間ごとに何か通知やお知らせ、お手紙を送付するなど、今後の対応策をそれぞれきちんと行なってほしいですね。

blog-toiawase
相続対策コンサルタント 鈴木としひろ 公式サイト はこちらから

法務省が「無戸籍」問題で、初めて実態調査へ

こんばんは
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

本日は、最近話題にのぼることが
多くなった「無戸籍」問題について、先日新たな報道がありましたので、ご紹介させていただきます。

 

『法務省が「無戸籍」問題で、初めて実態調査へ』

「無戸籍」問題について、法務省は7月31日、初めて実態把握のための調査に乗り出しました。

同日付で、各地の法務局に、無戸籍状態の解消に向けた支援策も含め通知書を出したとのことですレポート


普段は自分の戸籍を見る機会もそうはないとは思いますが、婚姻時や学校入学、不動産契約や国家資格受験の際など、戸籍の提出を求められることもあります。


また、相続が発生した場合、日本の相続手続きはすべて戸籍をもとにして進められるため、相続手続きのほとんどが進められないといった事態にもなってしまいます。

 そのために、今回実態調査をはじめると発表したと思いますが、そもそもそうした無戸籍状態の方においては、出生届が出されていないため、具体的な対応や把握をすることは難しいといえます。


今回法務省が法務局へ送達した通知には、そうした実情も踏まえ、戸籍業務以外でも情報が入れば戸籍担当者に連絡し、法務局に相談するよう促すなど戸籍窓口で情報の把握に務めるよう、求めているそうです。


そして、戸籍を得るための手続きの説明や、無戸籍であっても一定要件が整えば婚姻届が受理されるケースもあることの周知徹底を求めたとのこと。


無戸籍となってしまう方々の事情は、いわゆる300日問題や、DV問題など、個々様々な重い事情が絡んでいるので、そうした根本的な問題の解決を図らなければ実態の把握や改善もなかなか難しいとは思います。


ですが、何もしなければ何も変わりませんので、国が動くことで、少しでも現状把握し、こうした方々の日常的な不利益や不便が解消されることを願ってなりません。

blog-toiawase
相続対策コンサルタント 鈴木としひろ 公式サイト はこちらから