遺言書があっても・・・

こんばんは
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

今日もまた、遺言書にまつわるお話しです。

遺言書があれば、それだけでほとんどの相続手続きがスムーズに行なえると思いますか

実はそうでもないのです

確かに、被相続人がのこした(法的にも有効な)遺言書があれば、ない場合と比べると、相続登記や金融機関における手続きはスムーズに行なえることが多いです。

ところが・・・
肝心な点が抜けている遺言書だと、遺言書がない場合とさほど変わらない手間がかかることがあります

それは何だと思いますか?

・・・答えは、「遺言執行者が指定されていない」場合です。

遺言の中で、遺言執行者の指定をしていないと、相続人自身で遺言執行者の選任手続きを行なう必要があったり、結局は遺言書がなかった場合と同様、相続人全員の署名・捺印、および印鑑証明書を必要とされる場合も多いのです

遺言執行者の選任手続きは、家庭裁判所で行なう必要がありますし、その分相続手続きに時間を要することになってしまいます。
 → 「遺言執行者の選任手続きについて」マウス

逆に、遺言で、遺言執行者さえ指定していれば、遺言執行者一人の署名・捺印、印鑑証明書(遺言執行者と受遺者が別人であれば、別途受遺者も同様に必要)で相続手続きが出来てしまうケースも多いです。

せっかく遺言をのこすのであれば、このような点にもぜひご配慮ください