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「相続分放棄」とは? ~ 相続放棄と相続分放棄の違い(前編) ~

こんばんは。

相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です

今日は、「相続分放棄」についてご説明します。

「相続分放棄」とは・・・

「私の相続分はいりませんので、どうか他の相続人の方々で分配してください。た
だ、もし借金(マイナスの財産)があるならば、その分は支払います」

と宣言するものです。

「相続放棄」と「相続分放棄」、何が違うの?

一番の違いは、家庭裁判所で正式な手続きを行なうかどうか

です。
先日に記事でもお伝えしましたが、「相続放棄」をするには、かならず家庭裁判所に申立てを行ない、裁判所に認めてもらう必要があります。

そして、裁判所に認めてもらったら、プラスの財産もマイナスの財産も、一切の相続財産を放棄した、とみなされるのです。
→2 先日の記事「相続放棄とは?」マウス


一方、「相続分放棄」をするにあたっては、家庭裁判所に申立てを行なう必要はありません。
つまり、「相続放棄」と比べると、時間と費用、そして手間がかかりません

その代わり、冒頭でも書いたように、マイナスの相続財産については、放棄することができません。

では、なぜマイナスの
相続財産を放棄できないのに、なぜ「相続分放棄」を行なう意味があるのか?

話が長くなってしまうので、続きはまた明日・・・

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遺言の証人について ~ 未成年者は証人になれる? ~

こんばんは。

相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です

自筆証書遺言を作成する場合、証人はいりません。

ところが、公正証書遺言、秘密証書遺言を作成する場合、かならず証人が必要となります。
 
→ 自筆証書遺言とは?マウス
 → 公正証書遺言とは?マウス
 → 秘密証書遺言とは?マウス

なぜ証人が必要となるのかというと、

・ 遺言者本人で間違いがないと証明(確認)するため
・ 遺言者本人が自分の意思に基づいた遺言をしたと証明(確認)するため
・ 公証役場という公の場で、遺言書を作成したことを証明(確認)するため

などの理由があげられます。
なお、

「配偶者や自分のお子様に依頼したい!」

という方もいらっしゃるかと思いますが、
配偶者や自分のお子様に、「証人」という立場を依頼することはできません。 

◆ 遺言の証人及び立会人の欠格事由 ◆
民法第974条

 次に掲げる者は、遺言の証人又は立会人となることができない。

一 未成年者
二 推定相続人及び受遺者並びにこれらの配偶者及び直系血族
三 公証人の配偶者、四親等内の親族、書記及び使用人

上記のとおり、未成年者や推定相続人及び受遺者、配偶者、直系血族の方に関しては、遺産を分配する上で、利害関係が生じるため、遺言作成の際の「証人」にはなれないのです。

なお、上記のような「証人」になれない立場の人が、「証人」の立場について、遺言書を作成した場合は、その遺言自体が無効となりますので、ご注意くださいWARNING

もし適当な証人が見つからない場合、公証役場に相談してみるのも一つの方法です

その場合、公証役場で適当な専門家等を紹介してくれる場合もあるのです。

ちなみに、一般的には、信頼できる知人や弁護士、司法書士などの専門家に依頼することが多いようです。

当事務所でも証人となる方をご紹介したり、もしくは私が証人となることもできますので、ぜひ一度ご相談ください

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遺産の分割を禁止することはできるのか?

こんばんは。

相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です

今日は、遺産分割についてです。

遺言で、5年以内の期間であれば、遺産の分割を禁じることができます。

そもそも、遺産分割は、
相続が発生した後であれば、いつでも行なってよいとされていて、時期的制限は設けられていません。

たとえば、相続人のうち一人が若年者である場合、「 判断能力が未成熟であるため、判断能力が成熟するまで遺産の分割を禁じる 」、といった遺言を生前に残すことによって、遺産分割の早期分割を防ぐことができます。

このような場合で遺言がなければ、相続が発生してすぐ
遺産が分割れてしまい、相続紛争が深刻化するといった事態も予想されるので、一定期間は遺産の分割を禁止する、実益があると言えます。

◆ 遺言による遺産分割の禁止 ◆

(遺産の分割の方法の指定及び遺産の分割の禁止) 民法第908条

 被相続人は、遺言で、遺産の分割方法を定め、若しくはこれを定めることを第三者に委託し、又は相続開始の時から五年を超えない期間を定めて、遺産の分割を禁ずることができる。

上記民法第908条で定められているとおり、被相続人は、生前に遺言をのこすことによって、5年以内の期間内であれば、遺産の全部またはその一部について、分割を禁ずることができるのです。メモ


ちなみにこの遺産分割の禁止は、生前であれば、かならず遺言によって行なう必要があります(生前に行なう場合、遺言以外の方法で指定することは認められません)。

また、生前ではなく、相続が開始された後であれば、家庭裁判所によっても遺産分割を禁ずることができます。
裁判員制度

◆ 家庭裁判所によって遺産分割を禁止する場合 ◆

相続が開始された後に、「 特別の事由 」 がある場合、家庭裁判所は、遺産の全部またはその一部について、期間を定めて遺産の分割を禁じることができます。

上記でいう 「 特別の事由 」 とは、すぐに
遺産分割を行なうべきではない、ふさわしくない理由のことを指しています。
たとえば、冒頭例としてあげた、「相続人が若年者」である場合がこれに当たります。

その他、相続人全員が合意するならば、一定期間遺産の分割を禁じることもできます

そもそも、
相続人全員が納得して遺産を分配し合うのが、本来の形であるため、相続人全員が納得さえしていれば、遺産を共有化しておいても問題ない、というのは当然の話ですね

以上、遺産分割の禁止についてのお話しでした

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