日本には「国民皆保険(こくみんかいほけん)」という仕組みがありますので、日本に住んでいる方は皆、何かしらの健康保険に加入しています(近年は、保険料が支払えず未加入の方も多いようですが・・・)。
1.被相続人が国民健康保険に加入していた場合
この場合は、被相続人(亡くなった方)の最後の住所地を管轄している市区町村役場で「葬祭費」の申請を行ないます。
2.被相続人が健康保険(国民健康保険以外で組合が運営)に加入していた場合
この場合は、被相続人が加入していた健康保険の組合に、「埋葬料(埋葬費)」の請求を行ないます。
※組合名等詳細は、保険証に記載されていることが多いです。
3.健康保険(国民健康保険以外で組合が運営)に加入している家族が亡くなった場合
この場合は、2.と同じく加入している健康保険の組合に請求を行ないます。ただし、加入者本人ではなく家族が亡くなったため、「家族埋葬料」の請求となります。
4.業務上または通勤災害で亡くなった場合
この場合、健康保険から埋葬料が支給されるわけではありません。
労災保険から、「葬祭料(通勤災害の場合は葬祭給付)」が支給されることとなります。
また、このお金は必ずしも相続人(遺族)に支給されるとは限りません

たとえば、業務の最中に亡くなった場合等、「社葬」が行なわれる場合もあり、その場合には相続人ではなく社葬を行なう会社に対して支給されるのです

4.をお読みいただくとおわかりかと思いますが、この葬祭費・葬祭料については、相続人である遺族だから必ずもらえると言ったお金ではありません。
言葉の違い等もありますが、原則「葬儀を行なった方(喪主)に支払われる」お金、という位置づけになっています。
そして、この手続きは自ら請求手続きを行なわなければ、支給してもらえません

手続きができる期限もありますので、忘れないうちに速やかに手続きをするようにしましょう



明日からは、上記1~4の手続きについて、それぞれ詳しく説明していきます
本日のポイント



・ 被相続人が健康保険加入者だったら、相続人(遺族)がもらえるお金のひとつとして、「葬祭費」または「葬祭料」というお金がある。
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損害賠償金は相続財産? ~ 交通事故で亡くなった場合 ~
こんばんは。
相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です
だれしも皆、穏やかにあの世へ行きたい、と願うものですが、なかには交通事故や病気等で亡くなる方も多いのが現実です。
もし交通事故で亡くなってしまった場合、相続人である遺族には、「交通事故の加害者へ損害賠償金を請求する」権利があります。
では、この損害賠償金は、被相続人(事故で亡くなった方)の遺産として扱われるのでしょうか?
●損害賠償金は遺産?
被相続人が死亡したことによって、遺族(相続人)に支払われる損害賠償金は、被相続人の相続財産ではありません。
要するに、「損害賠償金は相続税の対象」にはならないのです。
この損害賠償金は、遺族の所得となります。
では、遺族に所得税が課されるのでしょうか?
●損害賠償金と所得税
損害賠償金は遺族の所得とはなりますが、所得税法上、非課税となっています。
つまり、所得税はかかりません。
損害賠償金には、慰謝料や逸失利益(不法行為や債務不履行等で本来得るはずだった利益が得られなかったこと)の補償金、といった意味合いが含まれています。

相続税も所得税もかからない・・・つまり、被相続人が交通事故によって亡くなられた場合、相続人(遺族)が受け取った損害賠償補償金はなんの税金もかかりません。
●交通事故当時は死亡していなかった場合
もし被相続人が、交通事故に遭ってしばらくは生存していて、損害賠償金を受け取ることが決まっていたとします。
ところがその後、損害賠償金を受け取る前に亡くなってしまった場合、そのお金を受け取る権利(債権)が相続人に引き継がれることになります。
そのような場合(被相続人が生きているうちに損害賠償金を受け取ることが決まっていた場合)、損害賠償金は相続税の課税対象となりますので、ご注意ください
本日のポイント



・ 被相続人が交通事故による死亡の場合、相続人に支払われる損害賠償金には、相続税も所得税もかからない。
・ 交通事故による損害賠償金をもらう予定だった被相続人が、その後、賠償金を受け取らずに亡くなった場合、損害賠償金は相続税の課税対象となる。
・ 交通事故による損害賠償金をもらう予定だった被相続人が、その後、賠償金を受け取らずに亡くなった場合、損害賠償金は相続税の課税対象となる。
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被相続人名義の口座有無を確認する方法 ~ ゆうちょ銀行の場合(後編) ~
こんばんは。
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です
今日は昨日の記事のつづきです。
<昨日の記事> 「被相続人名義のゆうちょ銀行口座有無を確認する方法(前編)」
昨日の記事で、
・「被相続人がゆうちょ銀行の口座を持っているかどうかわからない」
・ 「被相続人がゆうちょ銀行の口座を持っていたのは知っているが、口座番号等詳細まではわからない」
このような場合、「現存照会」手続きを行なえば良い、とお伝えしました
今日はその手続きの詳細についてお送りします
●だれが手続きを行なえるのか?
これは原則、相続人本人です。
相続人全員からの請求でなく、相続人一人からの請求でも受け付けてもらえます。
また、ゆうちょ銀行所定の委任状を用意すれば、代理人でも手続きすることができます。
※委任状はかならず「全文を相続人が直筆」する必要があります。
PCなどで打ち込んだ文章では扱ってもらえませんので、注意してください。
委任状原本はゆうちょ銀行HPからダウンロードすることができます。


●手続きで必要とされるもの
・貯金照会書兼回答書
※これはゆうちょ銀行所定の様式で、窓口でもらえます。
※これはゆうちょ銀行所定の様式で、窓口でもらえます。
・ 被相続人死亡の事実がわかる除票または除籍謄本等
・ 被相続人と相続人(申請人)の相続関係を証明する戸籍謄本等
・ 相続人(申請人)または代理人の身分証
・ 相続人(申請人)または代理人の印鑑
※印鑑は認印でOKです。
※印鑑は認印でOKです。
以上が原則、申請時に必要となるものです。
もし相続人から委任を受けた代理人が申請する場合は、相続人直筆の委任状を上記書類に足して申請してください。
なお、この調査依頼にかかる手数料はありません
ゆうちょ銀行が無料で調査を行なってくれます。

ゆうちょ銀行が無料で調査を行なってくれます。
●どこで申請できる?
現存照会は、どの郵便局でも行なってくださいますので、最寄の郵便局窓口で申請してください

●調査結果はいつごろわかる?
通常、2週間程度ですが、住所が変更されていたり等事情によっては、1か月程度かかる場合もあります

当事務所では、「現存照会」「残高証明書交付申請」手続きについても、ご要望がございましたらお手伝いさせていただきます



・ 「現存調査」は原則相続人が最寄の郵便局窓口で行なえる。
・ 「現存調査」手続きにかかる手数料は0円で、通常2週間程度で調査結果が出る。
・ 「現存調査」手続きにかかる手数料は0円で、通常2週間程度で調査結果が出る。
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