こんばんは。
相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です
だれしも皆、穏やかにあの世へ行きたい、と願うものですが、なかには交通事故や病気等で亡くなる方も多いのが現実です。
もし交通事故で亡くなってしまった場合、相続人である遺族には、「交通事故の加害者へ損害賠償金を請求する」権利があります。
では、この損害賠償金は、被相続人(事故で亡くなった方)の遺産として扱われるのでしょうか?
●損害賠償金は遺産?
被相続人が死亡したことによって、遺族(相続人)に支払われる損害賠償金は、被相続人の相続財産ではありません。
要するに、「損害賠償金は相続税の対象」にはならないのです。
この損害賠償金は、遺族の所得となります。
では、遺族に所得税が課されるのでしょうか?
●損害賠償金と所得税
損害賠償金は遺族の所得とはなりますが、所得税法上、非課税となっています。
つまり、所得税はかかりません。
損害賠償金には、慰謝料や逸失利益(不法行為や債務不履行等で本来得るはずだった利益が得られなかったこと)の補償金、といった意味合いが含まれています。
逸失利益の補償金 → もし交通事故に遭わず、被相続人が生きていれば得られたであろう所得に対する補償金を指します。
相続税も所得税もかからない・・・つまり、被相続人が交通事故によって亡くなられた場合、相続人(遺族)が受け取った損害賠償補償金はなんの税金もかかりません。
●交通事故当時は死亡していなかった場合
もし被相続人が、交通事故に遭ってしばらくは生存していて、損害賠償金を受け取ることが決まっていたとします。
ところがその後、損害賠償金を受け取る前に亡くなってしまった場合、そのお金を受け取る権利(債権)が相続人に引き継がれることになります。
そのような場合(被相続人が生きているうちに損害賠償金を受け取ることが決まっていた場合)、損害賠償金は相続税の課税対象となりますので、ご注意ください
本日のポイント
・ 被相続人が交通事故による死亡の場合、相続人に支払われる損害賠償金には、相続税も所得税もかからない。
・ 交通事故による損害賠償金をもらう予定だった被相続人が、その後、賠償金を受け取らずに亡くなった場合、損害賠償金は相続税の課税対象となる。
・ 交通事故による損害賠償金をもらう予定だった被相続人が、その後、賠償金を受け取らずに亡くなった場合、損害賠償金は相続税の課税対象となる。
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