相続人の中に未成年者がいる場合 ~ 特別代理人の選任 ~

こんばんは。

相続・遺言コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です

今日は、昨日の記事でもお伝えした、
「相続人の中に未成年者がいる場合」の
相続手続き について、ご説明いたします

相続人の中にもし、未成年者がいる場合、
通常の相続手続きとは別に、

「特別代理人」

という立場の人を用意する必要があります。

用意と言っても、ただ「この人を特別代理人にします」
と言うだけでは、代理権限を与えられません。

かならず、家庭裁判所で

「この人を特別代理人にしていいですよ」

という、お墨付きをもらう必要があります筆

●なぜ家庭裁判所での手続きが必要なのか?

例をあげて説明しますと、

・父Aが亡くなり、のこされた相続人は
母B(父Aの配偶者)と未成年の子どもCが一人

  ↓ 

法定相続人は、母B(父Aの配偶者)と子どもC

この場合(遺産分割をする際)法律上では、
未成年の子どもは自分で判断できない
→代理人が必要、とされています。

じゃあ、母親が代理人になればいいのでは?
とお思いの方も多いかと思いますが、
この場合、母親は子どもの代理人にはなれないのです

もし、母Bが代理人となってしまうと、
母親がすべての遺産を自分が相続できるように
手続きしてしまうことが考えられます。

そうなると、本来の法定相続分どおりで考えた場合、

母B=遺産の2分の1
子どもC=遺産の2分の1

で分けるとされているため、子どもCは本来もらえるはずの遺産2分の1についての利益を侵害されていることになります(利益の対立)

(実際、未成年の子どもは母親に育てられているので、そんなことは考えませんが・・・

そのため、遺産を分割するときに母親は、
未成年の子どもの代理人として遺産分割協議に参加することはできません。

よって、未成年(20歳未満) の子どもについては、家庭裁判所から特別代理人が選任され、特別代理人と母親で遺産分割協議をすることになります。

ちなみに、未成年の子どもが2人以上いる場合、それぞれ別々の特別代理人を1人ずつ、家庭裁判所から選任してもらう必要があります。

そろそろ長くなってきましたので・・・家庭裁判所手続きのやり方等は明日お送りすることにします

 本日のポイント 

・ 未成年の相続人がいる場合は、家庭裁判所で「特別代理人」を選任してもらう手続きが必要。