相続人に未成年がいる場合の相続放棄

こんばんは
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

本日は、相続放棄について、実際にご質問いただいたケースをもとにお伝えします。

Q 先日私の夫が亡くなりました。夫には多額の借金があり、私は相続放棄をするつもりです。私と夫の間には2人の子どもがいますが、彼らは未成年です。その場合、特別代理人をたてて相続放棄しなければいけないのでしょうか?

A いいえ。あなたが「法定代理人」として、2人のお子様分についてもまとめて相続放棄手続きをすることができます。


相続人に未成年がいる相続手続きを進める場合、通常は「特別代理人」をたてて手続きを進める必要があります。


ただし相続放棄手続きは、子どもの親が「法定代理人」として手続きを進めることもできます。
その場合の条件は以下のとおりです。

<条件> 
 ・相続人全員で相続放棄を申立てる場合


相続人全員で相続放棄をする際、未成年の方は法定代理人である親権者(父や母)が未成年者に代わって相続放棄を申立てることができます。

逆に、相続人全員ではなく、例えば未成年者のみが相続放棄を申立てることや、一部の相続人のみが相続放棄を申立てる場合は、親が法定代理人として相続放棄手続きを進めることはできません。

なぜかというと、そのような場合は一部の未成年者に不利益が生じるおそれがあり、“ 利益相反 ”行為となる可能性があるからです。

よって、あくまで相続人全員が相続放棄をするという前提であれば、
相続放棄手続き上、「特別代理人」の選任手続きを行なう必要はありません。