遺産分割における寄与分とは?

こんばんは。
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です

今日は、「寄与分」という制度についてお伝えします。
※今日もQ&A方式を用います。

Q被相続人は、事業を行なっていて、長男はその後継者として、被相続人の生前から20年以上事業を手伝ってきました。
被相続人の子どもには他に、二男、長女がいます(配偶者はすでに他界)。

今回の相続では、長男が長い間被相続人の事業を手伝ってきた貢献分を考慮し、遺産を分配しようと考えています。
実際にはどのように考慮して行なえばよいのでしょうか?

Aまず、この場合、長男、二男、長女の3人が法定相続人となります。

そして、被相続人の生前に、被相続人の財産や体調管理等に貢献してきた相続人には、「寄与分」とよばれる制度を活用する権利があります。

寄与分に関する決まりは、民法という法律上で決められています(民法904条の2)。
寄与分を考慮して遺産分割をする場合、通常は下記のような流れで手続きを進めていきます。

被相続人の財産の維持や増加に関して、なんらかの協力をした相続人がいた。

その後、被相続人が亡くなった。

共同相続人と協議し、貢献した相続人の“寄与分”を決める。

“寄与分”を除いた相続財産が、被相続人の相続財産となるので、
その分を法定相続分どおりで分配する。

なお、寄与分については、以下注意すべき点もありますWARNING

①法定相続人でなければ、寄与分を主張できない。
→たとえば、内縁の妻や事実上の養子、相続人の妻などは、主張できないということになります。

②遺言で全遺産が処分されている場合は、寄与分を主張できない。
→もし被相続人が遺言で全財産の処分方法をのこしていた場合、主張する余地はありません。

③寄与分について他の相続人とモメてしまった場合、家庭裁判所で調停、審判手続きを申立てる必要がある。
→寄与分の割合については、まず他の相続人との話し合いで決めます。決まらない場合は、家庭裁判所に調停を申立て、主張していくこととなります(調停でも決まらなければ審判手続きへ進みます)。

詳しくはこちらのホームページでもご確認ください
赤とんぼ
やじるし 遺産分割と寄与分についてマウス

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