相続人が行方不明の場合の相続手続きについて

こんばんは
相続対策コンサルタント 司法書士の鈴木敏弘です。

今日もQ&A方式で、相続手続きについてご説明させていただきます。

Q 相続人の一人が10年近く行方不明ですが、どうすればよいですか?

A ある方法をとることによって、相続手続きを進めていくことになります。

行方知れずになってしまった相続人がいると、それだけですべての相続手続きが進められなくなります

よって、いくつかある手段のいずれかをとることによって、その相続人なしでも相続手続きができるようにする必要があります。

※あくまで、まったく連絡をとる手段がない場合に限りです。
ただ単に、「何年も連絡をとっていない」 というだけでは以下の方法を選択することができません。

● 方法その1 
 不在者(行方不明者)の財産管理人を選任する

家庭裁判所に、不在者(行方不明者)の財産管理人選任申立てを行ないます。
その後、家庭裁判所の権限外行為許可を得て、他の相続人と不在者(行方不明者)の財産管理人とで、遺産分割協議を行ない、相続手続きを進めていくこととなります。

● 方法その2 
 失踪宣告する

生死が7年間以上わからない場合は、利害関係者(相続手続きの場合は、行方不明者以外の相続人)が、家庭裁判所へ失踪宣告の申立てを行ないます。
申立て後、裁判所が「官報」とよばれる日本の機関紙に公告を掲載します。

その後、行方不明者について何も情報が得られない場合は、官報掲載6ヶ月後に失踪宣告が出されます。

なお、失踪宣告が出されると、不在者は生死不明になってから7年たったところで死亡したとみなされます(→推定死亡、とよばれます)。

● 方法その3 
 遺産分割の審判を受ける

上記方法その1およびその2、ともにできない場合、家庭裁判所に直接遺産分割の審判を申立てることができます。

いずれの方法にしても、裁判所手続きが必要となりますので、自分たちだけでやろうとしても、なかなか難しいかもしれませんね

もし行方不明の相続人がいらしてお悩みの方は、ぜひ一度無料相談をご利用ください

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