今日は遺産分割協議調停手続きの流れについて、ご説明いたします。
●遺産分割調停とは・・・
遺産分割協議がまとまらない場合、要するに相続人だけではモメてしまってラチがあかない場合に、裁判所に申立てをすることにより行なわれる、第三者(調停委員)を交えた話し合いのことです。
調停の流れとしては、以下のとおりです。
1.モメている相手の住所地を管轄する家庭裁判所へ申立てを行なう。
複数いる相続人のうち1人、もしくは複数の相続人が、その他の相続人全員を相手に、相手となる相続人のうち1人の住所地を管轄している家庭裁判所へ、申立てを行ないます。
2.家庭裁判所から相続人全員に、『照会書』を郵送、または直接事情を伺う連絡が来る。
『照会書』とは、相続人の親族関係、遺産(被相続人ののこした財産)などを調べるための書面です。
裁判所からの照会や呼出しには、かならず応じるようにしましょう。
3.相続人から返送された『照会書』や情報をもとに、家庭裁判所が資料を作成する。
4.調停期日の決定。調停が開始される。
※1ヶ月に1度程度のペースで調停が行なわれる。
調停の期日当日は、通常裁判官1名と2名以上の調停委員が、各相続人から一人ずつ話を聞いていきます。
その際、裁判官と調停委員は、相続人同士きちんと話し合いができるように指導を行なったり、客観的にみて妥当な結論が出るように働きかけます。
また、遺産分割調停に関しては、弁護士に代理人を依頼しても、本人が出廷するのが原則となっています。
なぜなら、遺産分割調停という争いにおいては、原因が相続人同士の間にある事情に及んでいることが多いため、代理人に聞いてもわからないことが多くあるからです。
5.話し合いが進まない、まとまらない場合、調停不成立で終了
→ その場合、審判手続きへと自動的に移行される。
話し合いがまとまった場合、調停成立となる。
→ 合意内容を『調停調書』が記載される。
※ 『調停調書』は、通常の裁判ででる判決と同じ法的効力があると考えられています。
そのため、「調停調書」の謄本による、相続登記も可能となります。